ひさしぶりのブログです。そう書くのももう何度目でしょうか。覚えてませんね。私は記憶力に自信がありません。ところで10/27〜11/9は秋の読書週間らしいです。
秋の読書週間ですので、本を紹介してみてはいかがでしょうか。
というわけでこちらの企画に参加するのはもう3度めぐらいの気もしますが、感想文です。もしかしたら回数は違うかもしれませんが記憶力に自信はありません。今回は企画のための再読です。記憶力がないので再読でも新鮮な気持ちで犯人がわからず読むことができました。このエントリもおぼろげな記憶を使いつつ書いているので確かなことは保証できません。それでも今日この本を読んだことは確かです。紹介する本は、こちらです。
森先生の『魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge』です。Vシリーズですね。16年ぐらい前に出た本です。時間の流れを感じますね。作中の時間の流れはなおさらです……。シンプル・ショート・スパイシィ(だった気がしますが、1個ぐらい間違ってるかもしれません)を目的としたVシリーズという話ですが、現代の小説と比べるとわりと長いです。昔は厚い本がありがたられる時代があったらしいですね。それに対して、短いほうがいいだろ、といち早く目をつけた森先生の先見性は素晴らしいです。問題は今、基準だとこれも「長いな!」となるところです。
森先生の本なのでおもしろいのは当然なのですが、どう紹介するのかは迷うところです。このVシリーズは主なキャラクターが4人います。自称科学者である瀬在丸紅子、自称探偵である保呂草潤平、医大生でスカートをはいた男の娘である小鳥遊練無と普通の大学生である香具山紫子です。今回は、この4人とあと祖父江刑事を含めた5人が視点を持つ、三人称小説です。6人め、7人めがいたかもしれませんが、そこは重要ではありません。
それでこのキャラ紹介だけでも変人が揃ってるなと楽しいのですが、言いたいことはそれではありません。森先生は文体というものは特にないというようなこと(厳密には記憶してません。そんな感じのことです)を言われていました。文体というようなものがあるならば、それはそのとき視点を持っているキャラクターのものだという話でした(だったような気がします)。
そうです。この本ではそんなことがよくわかります。視点を持つキャラクターが節によって切り替わりますが、文章のリズムや表現がそのキャラクターによって変わっているように思います。紅子さんのときには天才風である意味、変人な感じに、保呂草(呼び捨て)のときにはきざっぽくハードボイルドに、とそんな感じです。セリフがそれぞれおもしろいのはそうですが、地の文と呼ばれるセリフ以外の文章もとてもおもしろいのが森先生の本の特徴です。そういったところからキャラクターが生きているかと錯覚するようなリアリティが発生するのではないかとわたしは考えています。わたしもそういうの書きたい! と思ってもどうもできないのでどうすればいいのかはずっと謎です。なにかトレーニングの方法があるのでしょうか……。
というわけで、本の紹介を終わりにしようかと思います。上で書いたことだけでなく、ミステリィとしてのトリックや、人の動きから発生する物語、出て来る天才についてなど、おもしろいところはたくさんありますので、ぜひ、読んでみてもらえればなあ、と思います。やっぱり森先生の本は最高です。
ではでは
秋の読書週間ですので、本を紹介してみてはいかがでしょうか。
というわけでこちらの企画に参加するのはもう3度めぐらいの気もしますが、感想文です。もしかしたら回数は違うかもしれませんが記憶力に自信はありません。今回は企画のための再読です。記憶力がないので再読でも新鮮な気持ちで犯人がわからず読むことができました。このエントリもおぼろげな記憶を使いつつ書いているので確かなことは保証できません。それでも今日この本を読んだことは確かです。紹介する本は、こちらです。
森先生の『魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge』です。Vシリーズですね。16年ぐらい前に出た本です。時間の流れを感じますね。作中の時間の流れはなおさらです……。シンプル・ショート・スパイシィ(だった気がしますが、1個ぐらい間違ってるかもしれません)を目的としたVシリーズという話ですが、現代の小説と比べるとわりと長いです。昔は厚い本がありがたられる時代があったらしいですね。それに対して、短いほうがいいだろ、といち早く目をつけた森先生の先見性は素晴らしいです。問題は今、基準だとこれも「長いな!」となるところです。
森先生の本なのでおもしろいのは当然なのですが、どう紹介するのかは迷うところです。このVシリーズは主なキャラクターが4人います。自称科学者である瀬在丸紅子、自称探偵である保呂草潤平、医大生でスカートをはいた男の娘である小鳥遊練無と普通の大学生である香具山紫子です。今回は、この4人とあと祖父江刑事を含めた5人が視点を持つ、三人称小説です。6人め、7人めがいたかもしれませんが、そこは重要ではありません。
それでこのキャラ紹介だけでも変人が揃ってるなと楽しいのですが、言いたいことはそれではありません。森先生は文体というものは特にないというようなこと(厳密には記憶してません。そんな感じのことです)を言われていました。文体というようなものがあるならば、それはそのとき視点を持っているキャラクターのものだという話でした(だったような気がします)。
そうです。この本ではそんなことがよくわかります。視点を持つキャラクターが節によって切り替わりますが、文章のリズムや表現がそのキャラクターによって変わっているように思います。紅子さんのときには天才風である意味、変人な感じに、保呂草(呼び捨て)のときにはきざっぽくハードボイルドに、とそんな感じです。セリフがそれぞれおもしろいのはそうですが、地の文と呼ばれるセリフ以外の文章もとてもおもしろいのが森先生の本の特徴です。そういったところからキャラクターが生きているかと錯覚するようなリアリティが発生するのではないかとわたしは考えています。わたしもそういうの書きたい! と思ってもどうもできないのでどうすればいいのかはずっと謎です。なにかトレーニングの方法があるのでしょうか……。
というわけで、本の紹介を終わりにしようかと思います。上で書いたことだけでなく、ミステリィとしてのトリックや、人の動きから発生する物語、出て来る天才についてなど、おもしろいところはたくさんありますので、ぜひ、読んでみてもらえればなあ、と思います。やっぱり森先生の本は最高です。
ではでは