ちはちは。夏休みをゲームと本を読むことで終わらせたわたしは、攻殻機動隊の原画展と押井守トークショーにふらふらと行ってきました。トークショーの内容はご自身の判断で危険なところを除きブログなどに書いていいということなので、記憶していて問題のなさそうなことをささっと書いてみようかと思います。 
さて押井守さん(以下、押井監督)といえば攻殻機動隊映画版の監督さんです。その他、パトレイバーやスカイ・クロラなどの映画も監督をされています。前にもパトレイバーの感想などを書きました。
【感想文】『パトレイバー』を見て【実写版と現実】


わたしが押井監督作品にはまったのは、 スカイ・クロラからだったかなと思います。森博嗣先生の小説が好きだったわたしは、小説では最初「飛行機よくわからない」となりつつも映画を見て、さらに小説も読み返し深くはまり、そこから過去の映画などにも手を伸ばしていったような記憶です。ところでスカイ・クロラのディレクターズ・カット版のお話はどうなったのでしょうか。今でも待っています。

そんな押井監督が攻殻機動隊の原画展に合わせて、トークショーをするということなので、抽選にもあたったので行ってきましたよ。原画展の感想は絵すげーぐらいしか言えませんので、以下はトークショーの内容をつらつら書いていきます。録音などは禁止でしたし(禁止されてなくてもしませんが)、メモもとっていないのですべてはわたしの記憶です。間違っている可能性もあることをご了承ください。

 ・ダレ場について
今回、へーと思ったのがこの「ダレ場」というお話でした。 押井作品を見たことがある方ならわかると思いますが、街の風景などが綺麗な音楽とともに流れて、ストーリーが進まず、眠……印象的なあのシーンです。攻殻機動隊では水路を進むシーン、イノセンスではお祭りのシーンと言えばわかるでしょうか。

今回はこの「ダレ場」というものの必要性について説明されていました。まず、 これは映画の前半と後半をつなぐものであるそうです。今、攻殻機動隊を見ながらこのブログを書いていますが、たしかに水路のシーンを境に話が変わっています。前半はゴミ収集車とマーケットでのおいかけっこ、そして印象的な格闘シーンに、記憶を書き換えられた男の話。そしてダレ場後の後半は人形遣いが車に撥ねられるところからはじまります。

そしてこのつなぐという効果に合わせてもうひとつ、このダレ場には世界の時間の経過という効果があるそうです。ダレ場以外のキャラクターが動きストーリーも動くシーンでは、見ている人がそのキャラクターが動いている時間しか感じられない。それを避け、この世界をもっと長くつづているものと印象づけるためにこのダレ場をいれるとのことでした。これは、確かにと思いました。だから長くて眠……世界がずっしりと存在するように感じるのでしょう。これは小説なんかでも参考になるかな? と思いつつおもしろく聞いていました。

・規制について
いろいろな規制についての話もありました。だいたい規制がかかるものはエロとヴァイオレンスとのことです。ポスターで乳首があるとアウトだったけど、絵を描いた沖浦さんに描き直しをお願いしても絶対断られるから乳首のところ肌色にしたという話は、やはりこだわりがあるのだなーとおもしろかったです。もうひとつのヴァイオレンスについては海外でうるさいらしいですが、基準があるのかないのか微妙なところがあるそうです。なにやら善良な市民を対象にしてはいけない。人形なら頭パーンしても大丈夫。じゃあ、あれは? イノセンスのヤクザたちは無残に殺されてましたけど? という質問に対し、悪党は虐殺されてもOK! とのことでした。きっとアメリカンな基準があるのでしょう。さすが正義の国です。

タバコについての話もありました。タバコと言えばスカイ・クロラです。見た目が子供の主人公たちがぷかぷかタバコ吸いまくるので、当時、いくらか問題になってましたね。わたしはタバコが嫌いです。しかし、映画などで吸っているシーンがかっこいいというのはわからないでもないです。今後は規制で変わっていくんでしょうね、という話とともに、そもそも描く人の大部分が喫煙をしなくなったので、減っていくんじゃないかなとのことでした。

・その他
その他、アニメータは女性の裸を描くのが好きとか、グアムで銃撃ちまくったとか、当時、みんなゲーセンでバーチャしまくってて、素子キックはバーチャでの押井監督の得意技PPKだ(原画展で買ったGIS原画集に確かに技名が載ってました(笑))とか、監督のおかっぱ好みは呪いとか、作ってる人の当時の女の好みはそのときの映画を見ればわかるから、み(自主規制)……とか、いろいろさまざまなお話が聞けました。

攻殻機動隊を作った人と言えば世界で通じるという話を聞いたときは、前に行った上橋菜穂子先生の講演会で、精霊の守り人の制作がプロダクションIGだと言ったら、ギリシャのどこかの島でも「攻殻機動隊を作ったところだ!」となったという話も思い出しておもしろかったです。

他にもたくさんのおもしろいお話がありました。すでに記憶は薄れつつありますが、大事なことは具体的な言葉ではなく、なんとなくよくわからない形で蓄積されるだろうと期待してあまり深くは書かないことにしておきます。どこまでが書いていいラインかわかりませんし!

ということで楽しんできたトークショーと原画展のレポートを終えようと思います。きっと広大なネットにはもっとまともなレポートがあがっているだろうと期待します。

ちなみにわたしが攻殻機動隊で一番好きなシーンはダイビング後の船の上のシーンです。あそこの草薙素子がかっこよくて好きです。期待して行った原画展になかったけどな!(一枚だけ近いシーンのがありましたが!)

ではでは