感想文のお時間です。年末とか年始とか時間があるということぐらいしか日常と違いのないわたしです。いや、結構おおきな違いか。「この漫画がわりとおもしろい2013」(すごいのなんか1年に何冊もなくね?)とかをやろうかと思いましたが、すごいのに埋もれてる漫画は2013年以外にだってたくさんあるだろよ、ということで今回も平常運転で感想文に行ってみましょう。最近は新刊以外にも昔好きだった漫画が電子化されて読む機会になるので、うれしいです。
 
今回、ご紹介の本はこちら『ファンタジウム』です。



以前にモーニングツーで連載していた漫画ですが、最近、電子化されました。とてもありがたいです。実家の部屋のどこかにあるはずですが、発掘するのも無理そうでしたし、周辺の本屋にも売っておらず、ずーっと待ってたのですが、ひさしぶりに全部読むことができました。

簡単に紹介しますと、ディスレクシア(失読症)の少年(性格もいろいろ独特)が、手品の才能で世を渡っていくお話です。読み書きができないゆえにいじめられたり、手品の才からいろいろな大人がいい人も悪い人もよってきたり、そんな中で生きてく、強さと弱さがとてもとてもすごい作品です。

まず手品のシーンが最高です。わたしは手品という言葉が好きですが、手品は別の言葉でマジックと言われることもあります。ですが魔法ではありません。種も仕掛けもあるものです。しかし、そんな手品でも魔法にかけるように人々を楽しませることができからこそ、マジックと呼ばれているのでしょう。ジャグリングのシーン、リンキングリングのシーン、ストーリー仕立てのクローズアップマジックに脱出マジックとどれもこれも種を疑うよりもただその魔法に酔いしれたいという気持ちになれるような絵が素晴らしく描かれています。漫画なんですよ! 絵なんですよ! そこで実際にマジックを演じている人はいません! でもすごいんです! それこそが漫画の力なのかなーと思ったりもします。

素晴らしいのは手品のシーンだけではありません。人間の関係性に、考えること、生きること、そんないろいろなことに対する素敵な言葉が物語中にあふれています。なんでもかんでもできる超人というわけではなく、人よりできる部分、できない部分、それぞれと向き合って、たまに逃げたりしながらも、主人公の少年、長見良は生きていきます。そんな物語は読んだ人の心に何かを残すことも多いでしょう。少なくともわたしの心には言葉にするのが大変な気持ちが残りました。読むたびに素敵なセリフの数々が突き刺さってきます。

この作品は結構前に連載休止となっていましたが、どうやら2014年から復活するとかしないとか。正確なところはわかりませんが、作者の読み切りがモーニングに載ることは確かで、そこで発表がありそうな気配です。もうわたしの中では続きが読めるものと思ってしまっているので、連載再開がなかったら泣きます。

というわけで絶対にあるはずの連載再開してから読むのもいいですが、その前の年始の時間のあるときに、『ファンタジウム』を読んでみてはいかがでしょう。現在7巻(全7巻とは言わない。続きがでるはずなので)と長さも丁度いい感じです。最後に一つだけ引用して終わりましょう。
あたかも伝えることによって存在するように……

このブログを読んでくれたいくらかの方が、『ファンタジウム』を読んで、楽しんでくれたらいいなーと思います。表紙もかわいらしくて素敵なものでいっぱいです。

ではでは。