こんにちはわん。今回の感想文は本じゃなくて映画です。見にくいですか?

想像してくださいサカサマの世界を!

まあ、無理だと思うのでそそくさと今回の感想文へ行ってみましょう!!



そんなわけでサカサマに書き続けるのも大変なのでサカサマでない世界に戻ってきました。繰り返しになりますが、今回の感想文は映画『サカサマのパテマ』です。




この作品は『イブの時間』で有名な吉浦康裕監督の最新作です。『イブの時間』では人間とアンドロイドの異なる価値観、またはその逆となる共通性のようなものが描かれていましたが、今回のパテマでもそんな普通とは違った価値観が描かれています。『イブの時間』を知らない? 見ましょう。是非、見ましょう。



パテマに戻ります。この作品は、あらすじを書くのもむずかしいのですが、一言で表すならばタイトルの通りサカサマです。この世界には地上と地底に二種類の人間が住んでいまして、重力の方向が違うという設定になっています。わかりますか? 地底人が地上にでると、そのまま空に落ちて死んでしまうということです。そんな地上にひょんなことから来てしまった地底人の少女パテマは地上人の少年エイジと出会い、地底に戻るための方法を考えたり、悪役にさらわれたりとするというお話です。キービジュアルのサカサマに抱き合っている姿は、空に落ちてしまう相手を支えているという状況を描いています。離したら死です!

悪役について。この映画にはものすごくわかりやすい悪役がでてきます。この悪役はかっこいい悪のカリスマというわけではなく、気持ちの悪いおっさんです。どのぐらい気持ちが悪いか行動を書くとネタバレになりますので、わたしが映画を見ていたときの感想を書くことであらわそうかと思います。

死ね。さっさと死ね。キモイ。部下もこいつのやり方、気にくわないんだろ? さっさと撃っちまえ。

という気分でした。映画を見ている最中はここまでな悪役はどうなのかなーと思っていましたが、設定資料集を読むとどうやらそれも狙い通りであるようです。王道の物語とするために、単純な悪を用意したと。なお、そんな悪役さんの結末については、大変満足しています(ニコニコ)。

そんな気持ち悪いおっさんはでてきますが、この物語の本質は想像力とその限界なのかな、と感じました。空に落ちていくという感覚が想像できますでしょうか? この問いにYesと答える人もNoと答える人も映画を見ると何かもう一歩先の感覚をつかめるかもしれません。

わたしが一番好きなシーンは男の子の方の主人公エイジのお父さんが残した日記のシーンです。綺麗な音楽と日記から浮かぶ過去の光景に、静かに涙が浮かんでくるのを感じました。音楽はエスペラント語とのことで、意味はつかめませんが、身に染みるようなものが感じられます。



というわけで、男の子、女の子、別の男の子に荷物やなにかの体重の組み合わせによって、浮いたり落ちたり飛んでいったり、画面がくるくると上下にいれかわって、今、どっちが上だっけと思いつつ、価値観まで入れ替わるような素晴らしい映画です。上下が入れ替わる世界をシリアスに、またはコミカルに描いたおもしろい作品となっています。

なんでこんな良い映画の上映館がこんな少ないんだよー、と悲しみを覚えたので、ほんの少しでも見る人が増えればとブログに書いてみました。

最後に注意です。公式設定資料集はネタバレ全開なので映画を見てから読みましょう。toi8作の漫画版は映画の数年前のストーリーなので事前に読んでも大丈夫だと思います。どちらにせよ、先に読もうが後に読もうが「ラゴスー!」と叫びたくなるかなと思うので大差ないです。小説版はまだ読んでいませんが、映画のストーリーのようですので、映画を見に行く予定があるのならば、先に読まない方がいいかもしれません。その辺りも何もかもが自己責任でそれぞれの自由ですが、ちょっとだけおせっかいを書いておきました。

そんなこんなで、あらすじや感想だけ読んでも伝わらないだろうこの作品、想像の先の経験なんかを味わえたりするかもしれない映画『サカサマのパテマ』を、時間がある方もない方もご覧になってはいかがでしょうか。おもしろいことはたしかです。たぶんお子さんも楽しめます。とにかく行ってみましょう!

ではでは